さいきんは彼女と半同棲みたいに暮らしている。

なんだか自分が退屈な(安定の上に甘えた怠惰な)やりとりしかできなくなっていく気がしつつ、彼女といるのは心地良い。

自分の「本当のきもち」なんてずっと前から靄がかかったように感じられなくなってきている。

こんなんじゃ駄目だと思いつつ、ぬけだす方法もわからない。働いて、彼女とすごして、としていると、自分のことをしっかり考える時間なんてもてないのだ。こうして退屈な人間になっていくと思うとすごく嫌なはずだったのに、今はリアリティ(切実さ)をもって何かを感じることはできない。

でも、彼女といると楽しい。

お昼に焼きそばパンを食べながら歩いたことのない街をあるいて、一人じゃ入りづらい古着屋に入って、コーヒーを飲んで。

彼女は人好きのする性格で、店員さんにもなんだか好かれる。

自分は子供になってしまったような気持ちで、彼女とすごしている。