昔の村上春樹はセリフの応酬だけでもなんだか面白く、瑞々しく、読んでいってしまう。
あと描きたい気持ち(たとえば喪失)があったとして、それを一段間抽象化して少しシュールな童話に仕立て直しているところとか、やっぱりすごいなて思う。
喪失、みたいなテーマはいくつかの短編で繰り返し感じて、そこには共感した。
「象の消滅」で象(=像、イコン?)が喪失してしまった後ではもう、疲れてしまってなにも切実に追い求めることができない。たとえば誰かと関係性を深めたとして、その結果と、深めなかった結果との間に違いを感じることができない気持ちなんて。すごくわかる。
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夏だ。心地よくて気持ちよくて、この今の季節感がすごくすき。