リコリス・ピザ』を観た。
ひさしぶりにこんなに映画的な映画をみたなと感じて、すごくよかった。また映画をすきな気持ちをすこし思い出す。

よかったのは、主人公が眠っているすきな子の胸をさわろうとして、思い直して、やめるところ。直前に描かれたショーン・ペン演じる老俳優たちの女性をトロフィーとしてしかみていない気持ち悪さとの対比で、ティーンエイジャーはティーンエイジャーであるということだけで世界を変えていく可能性をもっていて、そのことをとても爽快に感じた。

ただ、とにかく”走る”ことで若さを表現するのは安直に感じた。でもそれも嫌味のない素直さなのだとみることもできるだろう。

ひとりの人生を、その偶然性もふくめて丁寧に愛おしく描く(とても良い意味で、いつものPTAの)映画だったと思う。